
これから税理士になろうという人は、多かれ少なかれお金を稼ぎたいという気持ちがあるはずです。
税理士の年収をインターネットで検索すると、約700万円という驚きの数字が出てきます。
この件については、>>税理士の平均年収の真実を追及!税理士は儲かるのか?に詳しく書いてあるので、興味があれば読んでみて下さい。
そこで、「ぶっちゃけ税理士は儲かるの?」という質問に現役税理士である僕がお答えしましょう。
儲かるの定義は?
どの程度を儲かるというかは、人によって基準が違います。ですので、そこの基準をまずははっきりさせておきたいと思います。
金額基準
30代で年収1,000万円を超える人は全体の1%程度らしいので、30代で年収1,000万円を稼げる見込みがあればここでは儲かるとします。
時間基準
仮に年収1,000万円を超えることができたとしても、どこかのブラック企業のように一日12時間も労働に時間を費やしては儲かっているとは言えません。
一流企業の年収を見ると高い印象を受けますが、労働時間で割り返すと結局それほど高くないことが多々ありますのでここではどれほどの労働時間が必要になるかも考慮します。
さて、以上の基準で考えた場合、税理士の資格をとって開業すると儲けることはできるのでしょうか?
答えは、
余裕で儲けることができます!
開業税理士で年収1,000万円を稼ぐのは、はっきり言ってかなりハードルが低いと思いますし、仮に自分1人の事務所だとしても、それほど時間を使わずにこなせるほどの顧問先件数だと思います。
モデルケースを見ていきましょう。
自分1人の事務所の場合
年収1200万、9時から16時まで労働
自分一人で事務所をやっていくとすれば、やり方を間違えなければ売上1,500万円~2,000万円はほぼ残業なしでこなすことができるでしょう。
もし、「この金額がこなせない」というなら、やり方が間違っているので、そのまま独立するのはやめた方が良いです。ちなみに弊社の従業員は一番少ない者で1800万円ほどこなし、一番多い者だと3000万円以上の売上をこなします。
話を戻して、1500万円をこなすのは、どういう顧客の取り方をするのかによりますが、おそらく30件から50件ぐらいになるでしょうか。それならほぼ残業はなしで行けると思います。
売上高 1,500万円
家 賃 120万円
光熱費 20万円
ソフト 30万円
会 費 30万円
通信費 20万円
消耗品 30万円
その他 50万円
差 引 1,200万円
自分1人と従業員3人の場合
ぼちぼち顧問先が増えてきて、従業員が3人雇えるようになれば年収も2,000万円は超えることは難しくないでしょう。とりあえずは、この規模を目指します。
従業員を3人雇えるぐらいの規模になれば資金に余裕も出てくるので、規模を拡大しようと思ってもある程度の資金を投資することが可能です。
このぐらいの時には、管理や営業の仕事もあるので、自分の担当少し減らし1,000万円、従業員3人に少なく見積もって1,200万円の担当を持たせます。すると、事務所の売り上げは、4,600万円に到達します。ここまで行けば、年収は2,000万円を越しますし、積極的に業務を任せることによって自分の時間を増やすことも可能になります。
ちなみに、一人当たりの売上はもっと上げることができると思うので、この規模でも3,000万円近辺までの年収は狙えるでしょう。
売上高 4,600万円
人件費 2000万円
家 賃 200万円
光熱費 30万円
ソフト 50万円
会 費 30万円
通信費 30万円
消耗品 50万円
その他 50万円
差 引 2,160万円
これらの数字は自分の事務所を思い出して概算で書いていますので、多少のずれはあると思いますが普通に経営していればこれ近い数字となります。問題はこれだけの売上を上げるために顧問先を獲得する方法なのですね。
税理士で大儲けすることは難しい!
結論としては、年収2,000万円近辺なら税理士事務所を開業すればそれほど高いハードルではありません。むしろたくさんいます。
それを儲からないと思う人もいると思いますので、「税理士は儲かる!」と僕も言い切ることはできないです。
僕自身の感覚は、「税理士で大儲けすることは難しい」です。年収1億円とかのビックドリームを求めるなら税理士を選ぶべきではありません。
しかし、税理士業は大儲けできない分、大損するのも難しい業種であります。
上記の計算を見てもわかるように、人件費以外の経費があまり掛かりませんし、設備投資も必要ありません。
なので、
自分の会社(事務所)を持てて、気楽な年収2,000万円程度の小金持ちを目指すのではあれば、ハードルはかなり低く税理士は適している職業であると言えます。