
僕は今から9年前、25歳の時に顧問先たったの2件から税理士事務所を開業しました。
一般的には相当早くして独立した部類に入ると思います。
当然ながら最初はそれなりの苦労を強いられました。
しかし、今はそこそこの役員報酬を取りながらも、実務は職員に任せてあるので、結構自由に好きなことをやっています。
そんな経験から、税理士を顧問先ゼロから開業して成功するために必要だったと感じたものをランキング形式にして書いてみたいと思います。
ちなみに、僕とほぼ同じ時期に独立した税理士を知っていますが、その人は今、一応自分の事務所の看板は掲げていますが、ほぼ稼働していない状態で、講師のアルバイトと税理士会の無料相談の収入で暮らしているとのことです。
その方には失礼ではありますが、その方と自分を比較しながら何が必要だったのかを考えてみました。
そもそも成功とは?
最初にこれを決めておかなければなりません。
ここでいう成功の定義とは、開業して5年以内に、月収200万、年収2400万円とします。なぜこの金額かというと、根拠はありません。
あるとすれば自分がその程度だからです。笑
それでは、いきます。
顧問先ゼロから独立して成功するのに必要なもの
1位 覚悟
やはり、この覚悟が1位となるでしょう。
これは、税理士事務所に限りませんが、起業をするときに大事なことの一つとして、「最悪の場合を想定する」ということがあります。
ようするに、「上手く行かなかったらどうするか?」ということです。
僕は税理士事務所を開業するにあたり、失敗(事務所を潰す)することはないと考えていました。
なぜなら、最悪の場合は、ほかで働いて収入を確保すれば良いからです。
税理士事務所の場合は店舗ビジネスではないので、事務所に常駐している必要はありません。
仮に、昼間どこかで働いていても事務所の看板を下ろす必要はないのです。
だから、失敗(事務所が無くなる)ことは無いと思っていましたし、実際に最初のうちは深夜アルバイトをして、日中事務所で昼寝をしていたこともあります。
最悪の場合は、バイトで凌ぎ、顧問先が増えるまで耐える。
だから、失敗しても怖くない。
この覚悟ができればしめたものです。
何をするにも恐れる必要がないので、あとは突き進むだけです。
2位 行動
覚悟ができれば、次は行動するのみです。
僕は開業当初、自分でいうのも何ですが、かなり色んなことをやったと思います。
これだけのことを試した人はそうはいないでしょう。
>>税理士を開業して顧問先を獲得する14個の方法を試した結果を報告
先ほど紹介した、僕と同じ時期に開業した税理士に足りなかったものは、この行動だと僕は思っています。
いろんなことを試してみて、実際にやってみて良いもの悪いものを見極め、良かったものに集中するのが普通のやり方です。
一般の起業家はそうするはずです。
それなのに、なぜか税理士はそれをやらない人が多いです。
税理士はクソ真面目な人が多いので、決められた内容を勉強することだけが得意で、自分で考えて積極的に行動する人は少なく感じます。
だから、とにかく行動するだけで他の税理士と差をつけることができます。
3位 具体的な戦略
当時の僕には戦略などありませんでした。
とにかく、「顧問先を取るのは簡単だ!」と軽く考えていました。
しかし、現実はそんなに甘いものではありませんでした。
もう少し、最初からきちんと戦略を考えてやればもっと早く軌道に乗せることができたと今になるとわかります。
ここでいう戦略とは、
- 何を売りにするのか?
- 何で集客するのか?
この2つがメインとなります。
僕は何も考えずにやってしまったので、ガムシャラに行動を起こした結果気づきました。
「若さ」を全面に押し出し「起業支援」を売りにして、「WEB」で集客するのが一番効率が良いと。
何とこれに気が付いたのは起業して1年がたった頃でした。
最初から手探り状態で始めるのではなく、ある程度の方向性を決めて事務所を開業するべきでした。
このことに、もう少し早めに気づいておけば数百万円は損せずに済んだと思います。
4位 お金
僕の場合は、とにかく早く独立したくて自己資金は50万円で独立してしまいました。
お金がないので、創業融資で900万円を借りてスタートしましたが、それをなんと1年でほぼゼロにしました。
今となれば、笑い話にしかなりませんが、当時は相当な極貧生活をすることになり家族には迷惑をかけてしまいました。
この原因は、3位の具体的な戦略が決まっておらず、余計な事にお金を使ってしまったことですが、最初からもっと資金に余裕を持っていればこのようなことにはなりませんでした。
理想は1年間無収入でも家族が生活できる程度の蓄えがあればいいのではないかと思います。
しかし、それを貯めるのにサラリーマンでは時間が掛かるので、独立が遅れるというデメリットがありますが、そこはそれぞれの価値観で考えて頂ければ良いと思います。
5位 仲間
経営者は孤独だ!なんて言いますが、顧問先の社長を見ていると本当に孤独だなと思います。
しかし、僕はそうではありませんでした。
なぜなら、一緒に独立した仲間がいたからです。
そう、僕はパートナーの税理士と一緒に税理士事務所を開業しました。
この「仲間」が5位ではなく、もう少し上でもいいのかもしれません。
僕が覚悟ができたのも、行動を起こせたのも、1人ではなかったからです。
仲間がいたからこそできたのだと思います。
共同経営というのは、一般的には上手くいかないと言われがちですが、それをさしい引いてもメリットの方が大きいと僕は思います。
必ずしも共同経営である必要はありません。
もしかしたら経営者と従業員という関係かもしれません。
しかし、それがどんな形にせよ仲間がいると精神的に強くなれます。
それが最大のメリットです。
まとめ
税理士を顧問先ゼロから開業して成功するのに必要なものを掲げました。
これは、僕が9年間やってきた中で感じたことです。
もしかすると、もっと顧問先を獲得するための具体的なテクニックのようなことを知りたかったかもしれません。
その気持ちはよくわかります。
独立前の僕がそうでした。
独立前の僕はというと、神田昌典さんの本を読んでマーケティングの勉強をし、それに満足し「俺なら顧問先なんか簡単に増やせるし!」と、とんでも勘違いをしていたものです。
でも、そういう本を読んだり、セミナーを受けたりして得たものは、実際に独立してから何一つ活かすことはできませんでした。
それは僕の能力不足なのかもしれません。
しかし、その成功した方法はその人が成功した方法であって、それが自分に当てはまるかは、また別の話だからだと僕は考えます。
だから、どれだけテクニック的なことを学んでも仕方がありません。
そんなのは基本的な知識だけ理解していれば十分です。
独立してからの一番の教材は、「自分の行動した結果」です。
これに全てのノウハウが詰まっているのです。
その結果を分析して、さらによくするために修正し、また実行していく。
これを繰り返すことで最終的に自分に合ったやり方を習得するのです。
だから、税理士を開業して成功するためには、覚悟と行動が最重要な項目になってくるのだと僕は思うのです。
ぜひ、頑張って下さい。応援しています。
もし、この記事を読んで、独立前の税理士の方が悩んでいることがあれば、何でもお答えしますので、気軽にメール下さい。