これから税理士の資格を取ろうと考えている人、若しくはこれから税理士として独立しようと考えている人にとって、「税理士って独立開業して儲かるの?」というのは一番関心のあることだと思います。

この疑問に、実際に税理士事務所を独立開業した僕の考えを述べたいと思います。

税理士の平均年収は717万円というのは本当か?

税理士の平均年収は717万円と言われています。こう聞くとあまり儲からないのかな?と思われるかもしれません。実際に「税理士 年収」と検索すると、税理士の平均年収は「717万円」と書かれています。

この金額は厚生労働省が出している賃金構造基本統計調査から数字を引用したものなので信憑性がある数字ではあります。

しかし、本当にこれが税理士の平均なのでしょうか?

実態はそうではない。僕はこう考えています。

実際に税理士事務所を経営している肌間として、この年収717万円という数字は真実ではないと言わざる負えません。

断言します。税理士はもっと稼いでいます。稼げるはずです。

そもそも、この717万は給与をもらっている税理士の平均である

この厚生労働省が出している統計は「賃金構造~」というだけあって、あくまで給料をもらっている税理士の平均ということになります。

今現在最新の情報によると、全国に税理士は75,643人が登録されていますが、はたして、このうち何人が給料をもらっている税理士でしょうか?

僕には先ほどの、平均年収717万円という数字が低く思えて仕方がありません。もっと税理士は簡単に儲かる印象があります。そこで少し詳しく調べてみました。

給料をもらっている税理士はたったの23.7%しかいなかった。

28年3月の国税庁の発表では、全国の税理士登録数は75,643人です。下記のサイトを参照してください。

https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishiseido/rengokai/rengou.htm

この数字の見方を解説します。見る数字は一番下の計の列です。

〇 登録者数 計 75,643人

これは単純に税理士の総数です。

〇 開業税理士 計57,683人(76.2%)

これは個人事務所で開業している人の数です。個人事務所ということは給料を誰かから給料をもらっているわけではないので、上記の統計の計算対象外です。

〇 社員税理士 計8,518人(11.2%)

これは簡単に言うと税理士法人の役員となっている税理士です。社員税理士は役員報酬を税理士法人から受け取るので給料をもらっている税理士となり上記の計算対象となります。

〇 補助税理士(開業) 計5,471人(7.2%)

これは開業税理士に雇われている税理士の数です。つまり、雇われ税理士ですから給料をもらっている税理士となり上記の計算対象となります。

〇 補助税理士(法人) 計3,971人(5.2%)

これは税理士法人に雇われている税理士の数です。こちらも雇われ税理士ですから給料をもらっている税理士となり上記の計算対象となります。

まとめると以下のことが言えます。

給料をもらっている税理士(計算対象となっている税理士)

社員税理士 計8,518人(11.2%)

補助税理士(開業) 計5,471人(7.2%)

補助税理士(社員) 計3,971人(5.2%)

給料をもらっていない税理士(計算対象となっていない税理士)

開業税理士 計57,683人(76.2%)

※四捨五入の関係で足して100%にならないのはご勘弁を。

この数字を見る限り、税理士の平均年収717万円というのはほんの23.7%の平均でしかないことがわかります。

つまり、本当の税理士の年収を調べるには開業税理士を含める必要があることがわかります。ほんの、23.7%の税理士を対象にした調査で税理士の年収を決めつけるのはナンセンスです。

この4種類の税理士で平均年収を下げる要因となっているのは?

しかし、給与をもらっている税理士だけだとしても、年収が700万そこそこというのはどうも納得いきません。

もう少し高い印象があるのです。だって、大きな税理士法人の代表にもなれば億単位でもらっている人も必ずいるはずですから。きっとどこかが平均を下げているはです。

税理士の給料統計を下げている要因

補助税理士(開業)の給料が低い

確かなデータはありませんが、これはもう間違いありません。

同じ補助税理士の(法人)よりも低いと考える根拠は大手税理士法人の補助税理士は給料が高いからです。

もちろん、税理士法人でなく個人事務所でも規模が大きい事務所はあります。また、規模が小さい事務所の補助税理士でも高い給料をもらっている人はいるでしょう。

しかし、それは少数派だと思います。やはり補助税理士なら大きな税理士法人の方が給料が高い傾向にあります。

社員税理士が役員報酬を取ってない

これも憶測の域を脱しませんが恐らく間違いないでしょう。

社員税理士というのは、税理士法人から役員報酬を貰っています。ではその役員報酬はどうやって決めているのでしょうか?

はい。自分で決めているんです。

現行の税制を考えると、高額の役員報酬を取るよりも役員報酬を抑えて法人税を支払った方がトータルの納税額が少なかったりします。

そう考えると極端な話、

「税理士法人の利益1億円」なのに「役員報酬 1,000万円」

ということがあり得なくはないというこです。仮にこのようなケースがあったとすれば、この税理士は年収1,000万円の社員税理士として統計上の1人にカウントされてます。

果たして、こんな税理士がいた場合に、この税理士は年収1,000万円と言えるのでしょうか?

取ろうと思えば、1億円は取れる人が年収1,000万円で計算されているかもしれません。これが私が考える真実を歪めている原因の一つでもあります。

税理士の年収を明らかにするには開業税理士を調べる必要がある

結局、税理士の真の年収を調べるには個人開業の税理士を含めて計算する必要があるということはおわかり頂けたと思います。

しかし、日本税理士連合会などの統計を探してみたのですが、個人開業税理士の年収はデータがありませんでした。

ただその変わり総務省が行っている経済センサスでの統計が見つかりましたので抜粋します。

産業分類-専門サービス業-724公認会計士事務所、税理士事務所より

〇事業所数 27,881件

〇売上総額 1兆3,671億6,500万 (1事務所あたり4,903万)

〇費用総額 1兆1,323億7,300万 (1事務所あたり4,030万)

〇利益総額 2,347億9,200万 (1事務所あたり842万)

私の記憶だと税理士業の市場規模自体が1兆3,000億ぐらいだと記憶しているのですが、事業所数が27,881件で1兆3,000億まで行ってしまうと、全体の市場規模はもっと大きいのかもしれませんね。そもそも私の記憶違いないのか業界自体が変わってきたのかはよくわかりません。

ただ残念ながらこの数字からも税理士の真の年収は把握することができません。

この数字は税理士法人と個人事務所が混ざっての金額と思われますので、単純に利益を見たところで本当のところはわかりません。

一応1事務所あたりの平均利益は842万となっていますが、この利益が役員報酬を含んでいるのかどうかが検討がつかないからです。

ただし、1事務所あたりの売上高が4,900万円というのは中々信ぴょう性がある数字だと思いますね。この数字を元にして売上高4,900万円の税理士事務所がどれぐらい利益が出せるのかをシュミレーションするのは難しいことではありません。

結論

結論ですが、税理士の正確な年収を把握することはやはり難しいです。実際には税務署に提出された税理士及び税理士法人の確定申告書のデータを分析しないとわかりません。

そんなことは我々一般市民にはできっこありませんので、ある程度正確に税理士の年収を把握するというのは不可能というのが結論になります。

しかし、そもそも税理士の年収を知りたい人が本当に知りたいことは、税理士の平均年収なんかじゃなくて、

税理士になったらいくら稼げるのか?

この一点にほぼ集約されるのではないかと推察します。

それなら私は現役の開業税理士として明確に答えを出すことができます。

少し長くなってしまいましたので、この続きの記事に譲りたいと思います。